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 てのなか番外篇
【モノ】no/02 『O.SHI.GO.TO』しりあがり寿

「OLにあこがれた瞬間」

98/8/28

少し前の話になるが、マガジンハウスの雑誌、HANAKOで連載されているマンガ、『O.SHI.GO.TO』が単行本化された。
私は、しりあがりさんのマンガのファンなのだが、ことさらこのマンガが好きである。このマンガ読みたさに、本編
の特集はどうでもよかったにもかかわらず買ってしまったことさえあるくらいだ。

あらためて、読み直してみると、ずいぶん前から連載されていたことに驚く。自分のコトを考えてみれば、あーそん
なもんかな、とは思うのだが。

私が美術学校に通っていた頃、一番仲がよかった人も、やはり「しりあがり」ファンだった。彼女は、私よりも4つ
年が上のひとだったのだが、ある年の正月の年賀状に、彼女はしりあがりさんのイラストのポストカードを賀状とし
てよこした。
「鼻の穴まっ黒少女 かほり」のイラストである。「正月」にはまったくといっていいほど、関係のない図柄である。

そんなタナカさんと、あるとき、この『O.SHI.GO.TO』について話したことがあった。
もちろん、ふたりともこのマンガにはまっていたのだが、彼女は、私にこう言い放ったのである。
「でも、あんたはOLやったことないから、このマンガのホントの面白さはわかってないよ」
ごもっともであった。グラフィックデザインの会社で働く前、OLとして仕事をしていた経験を持つ彼女とは違い、
当時21、2だった私は、知り合いがやっていた、アジアやアフリカの雑貨や洋服をあつかう店で働いていたので
あった。バリのバティックや、インドのお香、タイの木彫の踊り子、アフリカの楽器マリンバ、などなど。そんな
モノ達にかこまれて働いていた人間は、到底「OL」とは、無縁である。
「そうだけどさ、だいたいのことはわかるね。」と強がりをいってみたところで、勝敗はついていた。

当時、このマンガを読んでいて、一瞬、OLもいいかなとは思ってみたが、実際あんな上司(部長)は、きついだろう。
毎日が「あれ」ではなぁ。でも、確かに「イガチ」なひとではあります、あのテのタイプは。
今の自分の仕事が、まぁ一般的にいえばOLなのだろうか、自分で自覚がないのでわからない。
そもそも、なにをもって「OL」というのか知らないので、判断不可能ではあるが。

収録されている話のなかに、受付から「人喰い仁鶴がおみえですが」という内線がはいるシーンがある。
要は、受付の新人が「ヒトクチ企画」という相手の会社名がちゃんと聞き取れずにそういうことになってしまった、
という「オチ」なのだが、実際仕事場で取次ぎをしていると、たまに「ツボ」に一撃をくらうことがあるのも事実
である。

「失礼ですが、お名前おねがいできますか?」
「ミケランジェロです。」

こういう返答がありますか?
よりにもよって、ミ、ミケランジェロて。

「どうみても日本人としかみえない人」の口から、こんなコトバが発せられては、こちらもたまらんのである。
もちろん、会社名らしいのだが。


「O.SHI.GO.TO」は、できれば楽しいほうがいい。

『おしごと』 Mag comics.

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