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 てのなか番外篇
【モノ】no/10 「アトリエ」 山崎まさよし

「職人仕上げ」な“作品”たちの展覧会

03/7/22

「ADDRESS」ここをC L I C K !!  06/7/12 追加

「COVER ALL HO!」「COVER ALL YO!」ここをC L I C K !!  07/11/11 追加

 

誤解を恐れず言い切っちゃえば、「ともだち」ってヒトだけじゃないと思う。
もちろん、わたしにも「ヒト」のともだちはいるけど、ほかにも、ペットとか、「この一冊」って本だったり、
風景だったり、「酒だっ(?!)」ってひともいるかも。そして、「うた」も。
   ちなみに、「うたはともだち」って曲があるのを、ご存じで?
   昔、NHKで同じタイトルの番組があったんですけど、
   その歌詞の中に
    「だれもしんじたくないときなんか 
     ひとりぼっちのよるなんか 
     なみだがなぜかでるときなんか」、
   どーすりゃいいかといえば、
    「ほら うたえ うたえ うたえ!」だそうだ。そういう曲。

わたしにとって、そんな「ともだち、としての曲」がいくつかあって、そのなかに山崎さんの曲もある。
よく、「泣くために中島みゆきを」とか「失恋したらyumingを」とかいうのとは、ちょっとニュアンスが
ちがったりする。「山崎まさよし、であれば、なんでもいい」わけでもないところが、ね。
だから、彼のアルバムは全部持ってるし、コンサートにはぜったいに足を運ぶ、というわけでもない。

その「ともだち、としての曲」のひとつが「明日の風」という曲。
三年ほど前、韓国に一ヶ月間勉強しに行ってたとき、期間が短かったこともあって、自分でも変にストイックに
なっていて「極力、日本語のものは持っていかない」というなか、唯一持っていった日本語のCDがこの曲だった。
なんだろうなぁ、当時、この曲の歌詞に似たような状況にあったとか、そういうのは全然なかったけど、そうだな、
やっぱり「そばにいてくれると、なんか、うれしい」存在、ともだちに似た感じをもっていたからかな、この曲に。
山崎まさよし、というヒトの音楽をはじめて聞いたとき、どこかで出会ったことのあるような、親近感があった。
そこからさらに、「あ、聞いてみようかな」というきっかけになったのは「STEREO」
セルフプロデュ−ス&アレンジ、パフォーミング(すべての楽器を全部自分で演奏)というスタイルのアルバムだ。
思い出したのは、レニ−・クラヴィッツのデビューアルバム「LET LOVE RULE」で、いい意味で「完璧じゃない」、
ほどよい「余白」がある感じ、だけど、自分の音楽というものをひとつひとつを録り重ねてつくる「職人」っぽい感じ、
そういうかっこよさがあった。

というのが、「前置き」なんですけど。
で、おまたせいたしました、ニューアルバムの「アトリエ」
このアルバムも、いわば、「工房(=アトリエ)」でひとり作業でつくりあげたアルバムだそうだ。
細かい技術的なことまではわかりませんが、たのしい!全曲ちがうよ、「弦」の味付けが!!
「ギター弾き」に関しては、もうスナフキン以来、絶大なる「あこがれ」と「尊敬」を持っているわたしとしては、
聞き入りました。
「こんなことも、あんなこともしたい!いや、してやる!!」ってストイックさが伝わってきた。そして、たぶん、
それができるだけの技術があるんだろうな。

そうそう、山崎さんは、わたしとおなじ年らしい。
「そろそろ、これまで培ってきたものを“カタチにしてく”ぞ」っていう、お年頃なんだよね。
妙に、そんな「クラスメート」視点で共感もしたアルバムだ。
ある程度、「これまでの自分」に対する信頼ができてきて、そのうえに立つ技術で丹念につくりあげた「作品」たち
が胸を張って展示されている「アトリエ」。
「作品」たちは、それぞれの個性で彩られていて飽きないし、飛び道具っていうか、変なギミックでごまかしてる
部分がないので、派手さはないかもしれないけど、聞くたびに味わいが増してきて、どんどん好きになるアルバムだ。
もちろん、定評のある「山崎ワールド」な曲の世界観にも深みが……。かすかなココロの動きというのか、気持ちと
いうのか、「そーくるかぁ……」という部分を「描いて」「語りかけて」おられまする。
くやしいが「ほろり」ときちまった。世の女性が「ぐっとくる」のは、このあたりなのか??
ま、「職人技」っすかね、そこのとこも。

そして、最初のハナシに戻り。
わたしは、このアルバムでも、また一曲、「ともだち」としてそばにいてほしい曲が増えました、とさ。
どの曲か、は非公表。とくに、他意なし。以上。


 

「アトリエ」

ギャラリーをゆっくり歩くように、アルバム全体をひとつの流れでたのしんでみるといいかも。


「明日の風」

さっき、また聞き直してみました。「もう、若者じゃいられない」って自覚で伸びをした“すがすがしさ”、にシンパシーを感じたのかもしれないな。もしかしたら。


「STEREO」

「ツバメ」は名曲。「新宿がみえる街」の空気感、コインランドリーまでの道、サッシの向こうをみつめるまなざし……素直に映像が浮かびます。


「STEREO 2」

いまの時期、「あじさい」って曲がビンゴです。ほかにもあるんだけど、山崎さんがつくる、この手の「歩く速度の曲」は好きですね。


「僕と不良と校庭で」(DVD付)

通信系企業のCFで流れてますね。ぼんやりと「窓の外 ずっとみてた」学生one of themだった高校時代、そういえば、午後の授業、高い空の青はどこまでもつづいてたなぁ。
ちなみに、最近ラジオで、この曲のタイトルの元ネタ??!がPaul Simonの「僕とフリオと校庭で」であるとの由、語られておりましたが、ホントのところは、いかに?「Me and Julio Down by the Schoolyard」の邦題って「フリオ云々…」だったんだぁ。知らなかったもんで。くわしく知りたい方はこちらのアルバムをcheckしてみてくださいね。すっごいかっこいいアルバムで、myCDラックでは古参の一枚。なぜか「冬の午後2時すぎ」に聞きたくなります。

 


「いま」の僕らは 
「あのころ」の未来を歩いている

「ビー玉望遠鏡」(DVD付)

実は、c/wの「十六夜」のほうが好きだったりする、個人的には。前から気になってたんだけど、あの「コトバ使い」のセンスってさ、スゴイと思うんだけど。イントロのギターがさぁ、かっこいい。くやしい。


きらきらした夏
きみといた景色

BLUE PERIOD ~A side集

OUT OF THE BLUE ~B side集

デビュー10周年記念のベストアルバムがリリース。ふだん、さほど仲のよろしくない?!我々姉弟がそれぞれ一枚ずつを持っていたことが先日判明しました。ちなみに、姉は「キイロ」。待望のmud skiffle tracks、さっそくmp3に入れて持ち歩いてます。
2005.9

 

  
「山崎」の10年モノ。

06/7/12 追加

 

3年ぶり、なんだって。前作から。
そっか。そうなのか。
3年間、ってこんな感じなんだ。

たとえば。

ここで3年分の記録をみると、めまぐるしく大騒ぎのようだ。
自分のこと、思い返しても。学校通ってた頃とか。
中1から中3までの時間。
高1から高3までの時間。
なんだか意味なく、せわしく、いろいろあったもんな。

 

そう考えると、
どこの時点からか、「なだらか」というか「なめらか」?!になるんだね。
時の流れ、って。

「なだらか」に「なめらか」に過ぎる毎日には、
ちゃかちゃかしたり、しっとりしたり、どんよりしたり、ほっこりしたり、
どわーーってなったり。
それを「受け止める」コトができるようになるのが「大人」になることだったり
するのかも。

「そんなもんだよね、」と日々たんたんと過ごしつつ、
ふと、目の前に豊かな風景があふれてることに気がついたり。
最後に収録されてる「バス停」までを聞きながら、そんなことを思いました。

 

さて、内容ですが、映像に関係する曲が多いようで。
だから、ということではない気がするけど、いつもにも増して、どの作品もストーリー性がつよく、
「絵」や「映像」が意識されてるような気がしました。短編映画集、みたい。

 

たとえば。

「8月のクリスマス」のアコースティックギターバージョン。
ピアノとはまたちがった「味」があってよいです。
あらためて。いい曲ですよね、この曲。
わたしは、このアコギバージョンのほうが「語りかける」雰囲気があって好きかも。

「アンジェラ」のモノクロの、濃密でありつつ、ドライな世界観がいい。
リュック・ベッソンの同タイトルの映画は「いまのパリの風景を撮りたくて撮った」作品だそうですが、
同じく、かつてのパリを切り取ったアジェの写真のように、行間にさまざまなドラマを連想させます。

「道化者のチャーリー」は、まるで一遍の短編ムービー。
わたしもチャーリーさんに会ってみたい!と思っちゃう。
「会ってみたい、」といえば、「陽気なゴースト」も、たのしい一曲です。
この2曲に関しては、活動写真の「弁士」がストーリーを語ってるよう!
登場人物が、みな愛おしい存在に思えてくる!!

いまの自分のココロの状態に直球でストン、と深いところへ落ちていった曲も。
ほんとに、こんなふうに想ってくれてるひとがいてくれたら強くなれるんだろうけど、ね。
わたしも、こんなふうにそのひとのこと、想いたい。

などなど。

 

この間、リリースされたシングル曲も収録されてるし、
この3年を経たからこそ、できあがった、現時点での正直なアルバムである気がします。

 

「ADDRESS」

このアルバム聞いて、
わたしは懐かしい人に再会したようで、
ニコニコした。

なんだか、ゲンキになりました。


「‥‥の、ありか」

 

07/11/11 追加

■ はじめに:絵描きとデザイナーのちがい

唐突に「絵描きとデザイナーのちがい」についての話からはじめます。

絵描きには、いっさいの制約がない。
制作のとき、どんな画材や手法をつかってもかまわない。
どんな表現もゼロから具現化することができる一方で、「なにを描くか/形づくるか」が
クリアでないと、その輪郭はぼやけたものとなってしまい、前へは進めなくなる。

デザイナーには、まず制約がある。
クライアントの意向、制作物のサイズ、イメージの方向性などの「枠=条件」が決まって
て、場合によっては色数、手法までも限られる。まずは、客観的な視点に立って、条件に
身を委ねる必要がある。 ただし、それをクリアすれば、あとはその「枠」のなかで自由だ。


考えようによっては、どちらも「表現」することにはかわりなく、明確な線引きがあるわけ
でもなく、アウトプットの仕方のちがい、頭の切り替え方のちがいのようなものなのです。
事実、この両方の作業を経験した目線でいうと、それぞれの「楽しみ方」と「苦しみの度合
い」は、ほぼ同じといってよくて「つくる」という作業への集中の仕方は変わらないと思う
のです。締め切りの有無は別として、ね。

だから、ふだん「絵描き」的な仕事をしているひとが「デザイナー」的な仕事をしたとき、
まったく別なものがでてくるか、といえば、必ずしも、そうではない。逆に、コアの部分で
まったく異質なものがでてきたら、それはどちらかに「嘘」があるんじゃないかとさえ思い
ます。あくまでも、「自分のなかのオリジナリティ」を表現する「場」にかわりはない、と
いう意味でも。

今回の2枚のアルバムも、その一例だな、というのが、第一印象です。
そして、なにより「このひとは音楽(をつくるの)が好きなんだなぁ」というのがよくわかる
アルバムに仕上がっています。


■ で、和洋「すぺさる」なコースメニューを‥‥

今回のカバーアルバム「COVER ALL-HO! 」「COVER ALL-YO! 」。
邦楽、洋楽あわせた全20曲の選曲につられたこともあり、まんまと2枚とも買ってしまい。
一巡、20曲聴いてみての感想。「なんーっじゃ、そりゃ!」、です。

「邦楽洋楽のカバーを取り揃えたアルバムがでるよ」という告知がでたとき、「それって、
昨今のカバーアルバムのムーブメントの一環じゃなくて?」と思いました。正直にいうと。

でも、そんな「いぢわる視点」な予想は見事なまでに裏切られることに‥‥!
これがまた、びっくりするほど「山崎まさよしのアルバム」に仕上がっていたのでした。
はっきりいって、わたしのなかで当時の“オリジナル”を超えた楽曲も少なくないほど。
それが、冒頭の「なんーっじゃ、そりゃ!」につながるわけですが。
「絵描き」は「デザイナー」の仕事も同じようにこなしていた、ってことですね。

あと、これは個人的感想ですが、素直に「これまで、いろんな音楽聴いてきて、ほんとに
よかったなぁ」と。時間を経て、こんなアルバムに出会えて、また、これらの楽曲を味わい
直せるなんて、ね。

いうまでもなく、「COVER ALL-HO! 」には邦楽、「COVER ALL-YO!」には洋楽のカバー曲
が所収されていますが、一概に「カバーアルバム」とひとくくりにできないといいますか。
たしかに、どれも既存の曲をカバーしてるので「カバーアルバム」で間違いないのだけど‥‥
もっと別のいいかたができるといいのに。いまのところ、まだ思い浮かばないのが残念ですが。
とりあえず、わたしとしては2枚はまったく別の性格として位置づけてみました。

HO!は「うたの世界を味わう」。
ヘッドフォンでひとり、じっくり聴くのがおすすめ。
メロディーやコトバの音(オン)の響きのよさだけじゃなく、曲のストーリーだとか世界観を、
まるで映画を観たり小説を読むような感覚でたどってみたりしてね。
あのころの自分にかえって聴くもよし。ま、かならず「かえる」必要もない、ですが。
世代にもよりますね。

YO!は「サウンドの心地よさを味わう」。
スピーカーから聞こえてくる音を浴びるのが気持ちいい。
曲によっては「踊れ!モード」もあるし、ね。
聞き慣れた名曲もアレンジ次第で「一粒で二度おいしい!」。
そうか、まさに「洋食」なのかも。
いまや「和オリジナル」な洋食メニューの代表格「明太子パスタ」とか「ピザトースト」
などのように「山崎オリジナル」仕立てにした洋楽ナンバーが並びました。

そんな各10曲ですが、それぞれの曲の詳細な「風味」については、メニューに書いて
ございます各曲に添えられた「つけあわせ」をご覧くださいませ。
なかなかのセンスざんす。


■ 料理人、の腕前はいかに?

参加してるミュージシャン(次課長の河本氏も含め!)やアレンジャーの方々については、
今回「プロデューサー山崎将義」としての力量の見せ所ともいうべきポイントともなってい
て「料理人」としては「素材」を活かす「スパイス」選びを吟味し、最高のアレンジを実現
しています。

余談ですが、オープンキッチンみたいに、これら「素材(楽曲)」を目の前にしたところから
はじまって、音がどんどん「料理(構築)」されていくプロセスをずっと追って撮影してたら、
おもしろいだろうなぁと思いました。ドキュメンタリーとして、すごい興味あるけどな。


「どうよ?いろいろ参加してもらったよ」的な肩ひじ張ってるとこは皆無なのに、凄腕の
ミュージシャン&アレンジャーとのコラボでラインナップされた楽曲がキラリと光ります。

特筆したいのがJazztronikの参加してる楽曲。和洋両方で功績は「大」でしたね。
YO!の「When You Gonna Learn」。
だって、ジャミロクワイだわさ!
「よりによって、あのジャミロなクワイさんをやってみましたか、 そうですか」ってんで、
結果として、原曲のグルーヴ感をそのままに「やりきって」ましたね。たまげました。
そして、HO!の「いけないBaby」。
曲をつらぬく優しいギターのつまびきと、星のまたたきのような野崎さんのピアノが、
フィッシュマンズの、佐藤さんの描き出す、あのこわれそうな美しい世界感を描き出すのに
とてもよかったです。


ほんとに、どの曲もすばらしい。
どの曲の仕上がりも好きなんだけど‥‥あえて、断言!
「アンダルシアに憧れて」が傑作です!
PE'Zとのコラボ、最高だった!スピード感がたまらないアレンジです。耳から離れないほど
頭のなかを激走中です。

細かいところで、楽器が「歌詞で描いてない」行間にあるようなシーンを演出してる、かの
ごとく聞こえたのです。深読みしすぎかもしれませんが。
敵と相対してる緊迫した港の倉庫での銃撃戦とか、一瞬彼女を思い浮かべる顔とか、マシン
ガンを手にニヤついてるヤツの顔とか、マシンガンが火を噴く瞬間などなど‥‥
「見えちゃう」んだから。そこまでいうと、大げさか?でも、これはすごかった。
当時、マッチ(‥‥スミマセン、世代がでますね)が歌ってたんだったっけ?
真島さんがセルフカバーしてたのも知ってたにもかかわらず、通しで、この曲の「物語」を
たどったことがなかったかも。こんなかっこいいハードボイルドな世界観だったんだ。
「ボルサリーノは弾け飛び コンクリートにキスをした」‥‥痺れます。
男子は確実に好きでしょうね、この感じ。
まるで「松田優作」的世界。最後のシーンなんて!
ただし「待たされる」ほうは、たまらないけどね。カルメンは、いまどうしているのやら。


そうそう!
オルケスタ・デ・ラ・ルスとのコラボも、ま、「なじみ」ってこともあっていい感じ。
「Just The Two Of US」は、もう「デ・ラ・ルス臨時出張所!」的な「しっくり」さ加減。
ライブでの競演がみてみたいナンバーの第一位!です。
と、いいつつ。
このひとのコンサートチケットは、ほんっとに買えないからなぁ。
ライブで聴いてみたい、と思ってもなかなかチャンスがない。
今回のツアーのチケットも、しかり。ファンクラブにでも入らないと取れないんですかねぇ。
せめてmp3にでも詰め込んで、おもてへ連れ出して、緑の多い場所ででも聴くことにしよっかな。


■ さらに、味付け、のことなど

YO!のほうは、びっくりたまげるような「味付け」というわけでもない気がしました。
「おいしいものは、おいしいでしょ?ね?」て感じで。
ずっと好きで大事にしてきた素材(原曲)に対しての、まさに「RESPECT」ゆえでしょう。
全曲とも原曲のよさをシンプルに踏襲しつつ、プラスαで「山崎味」を加えてる程度で。

もちろん、ギターマンとしての本領を存分に発揮した曲も、多数!
聴いてて、演奏してるひとたちのほうこそが「楽しそう」なのが伝わるほど。
ギター小僧(っていう?いまどき。)が絶対憧れて真似したがるだろう「Superstition」や
「RESPECT」での演奏も、ありきたりな褒め言葉で申し訳ないけど「さすが!」です。

「Raindrops Keep Fallin' On My Head」くらいかな、アレンジで風味が変わってたのは。
原曲の「ポケットに手をつっこんで、小石蹴りながら歩く感じ」とは一転「ジーン・ケリー
並み?に傘さしてスキップしながら雨のなかを踊る感じ」でね。
次の「Daydream Believer」へのつながりのウクレレも心地よい!
ここは、曲順の入れ替え、NGですよ。

期待してたぶん、ちょっと残念だったのは「You've got a friend」がなかったこと、かなぁ。
以前カバーしてるのを聴いたことがあったような気がしたんですが。
キャロル・キングのナンバーがなかったのは意外でした。
そのぶん、「True Colors」がセレクトされてたのはうれしかったですね。
“I ”と“YOU”の間が、必ずしも男女の間だけの感情じゃなく、もうちょっと普遍的な
“LOVE”の歌詞にも聞こえるので、シンディーのなかでも好きな一曲。男性がうたうと
こんな感じに聴こえる曲なんだなぁ。温かなブランケットのようにやさしい仕上がり。
キャロルの「You've got a friend」もそうだけど、竹内まりやさんの「元気を出して」に、
ちょっと近い感性があるような気がするのです。


一方で。

HO!のほうは、若干やっかいなのですね。
あくまでも、これは聴く方の問題ではありますが、原曲が流れてた当時の自分にどうしても
「ひきづられてしまう」のです。歌詞がニホンゴだけに、感情がダイレクトに。各曲とも、
工夫というか、アレンジの妙は聞いてとれるのですが、そこを楽しむ余裕がまだ、なし。
とくに10代に聴いてた曲は、純粋に音楽として楽しんでる以外の要素がね、いろいろね、
あったりしますもんで。それらの曲が引き連れている「記憶」だとか。しかも、その想い出
とかキモチとかが「進行中」じゃない、すでに。
だもんで、余計に懐かしがったりしてしまう。

でも、それらも含めて「自分のなかにある“音楽”」なのかもしれないけど。

そういう意味でも、聴き手として「いい曲だな」と素直になれる曲となれない曲があったり
して「やっかい」ととらえてしまうのかもしれません。

好き嫌いはともかく、私たちの世代にとって、10代後半あたりに経験した「バンドブーム」
と呼ばれるムーブメントは大きなものがあり。
その渦中にいたか/いなかったかで、その前後の音楽体験て、ずいぶん違うんですよねぇ。
たぶん、山崎さんは「いなかった派」なんじゃないかなぁ。今回収録されてる、この頃の曲
に対する距離感が、どこか「客観的」でありつつ「ほどよい」から。
「渦中にいた派」だったら、もっと思い入れがたっぷりになって、忠実になってしまうか、
逆に完全に打ち壊すスタンスでいくだろうから、曲に対して。
わたしの場合は自分自身はバンドに参加してたわけでもなく、横目でみつつ、でも、一応、
そのころの音楽は耳に入っていて、程度で、どちらかというと渦中には「いなかった派」。
前後はYMOがあり、50's、60'sに興味があり、チャックベリー、モータウンあたりなどを
ずっと後追いで聴いて、といった具合。いまにくらべて、まだラジオ、とくにFM放送から
音楽の知識が入ってきた世代。レコードからCDへの移行期だったことも関係ありそうな気
が‥‥もはやリアルタイムで聴くことのできない「伝説」となってしまっていたビートルズ
の音源はCDの出始めにまず「CD化」されたディスクだったので、逆にまとめて聴く機会が
あったんです。そのほかのいわゆる“オールディーズ”と呼ばれたジャンルも、FM経由で
大滝詠一さん、山下達郎さん、萩原健太さんから薫陶(というか、むしろ洗脳?)を受け、
「Wall of sound」がどうだとか、みたいなことの知識に耳を傾けてた時期でもありました。

とにかく。
バンドブームのときに「渦中にいた派」は、当時、爆風もプリプリも確実にコピーしがちな
バンドだったんです。だから、ついつい本来の「楽曲」というより、コピーしてた誰々くん
とか誰々ちゃんとともに存在してしまう曲なんで、客観的に聴けないで、曲本来のよさとか
が変に「闇の向こう」に隠れてたりします。
そういう意味では、こうやって聞き直せて再発見しました。
「あぁ、こういう曲だったんだ」って。
「玉ねぎ」は切ないですね。あの、救いようのない「切なさ」加減はどういうことなのっ!
この「状況のありよう」って、いわば、落語における「キセル」みたいなもんで、どこかの
世代からは、まったくピンとこない感じになってるのかなぁ。それはそれで、かわいそうな
ことなのかもしれないな。愚直に「好きだ」という気持ちだけしかない清さって、すてきだ
よなぁ‥‥なんて。そればっかりでも困るけど。
武道館へは何度も足を運んだことあるし、「九段下の駅へ向かう人の波」なんて思い浮かん
でしまう風景がダイレクトすぎる。こう、せつせつと歌うのは反則です。不覚にも「貯金箱
こわした君」に感情移入してしまった、あたくしは、もはや「年寄り」なんでしょうか??


あと松田聖子さんのことをすこし。
「Sweet Memories」のころ、作家陣は「はっぴいえんど」チームなんですよね。
ずっとのちに「あぁ、あのころから“はっぴいえんど”の音楽を聴いてたことになるんだ」
とわかって腑に落ちたんですけど。
当然、当時はそんなことは知らずに「聖子ちゃんの曲」として純粋に聴いてたわけですが、
前述の大滝さん、細野さんも数曲かいてるし、この時期の「聖子ちゃんの曲」の作詞は、
たぶんほとんどを松本隆さんが手掛けていらしたと思います。
あきらかに「I will follow you」な「80年代の理想のオンナノコ像」は、松本さんという
男性目線で書いた歌詞のなかから築きあげられたものかもしれない。
当時、よくピアノでコピーしてたような曲はよく覚えているのですが、このころの曲って、
いま聴いても、やっぱりいい曲なんですよ。その「いい」部分をシンプルに自分の声だけ
を重ねるという手法で仕上げてあったのには、唸らされました。この曲の作曲は「はっぴい
えんど」チームではなく、大村雅朗さん。歌謡曲から、いわゆるJ-POPの走りの時期に名曲
を多数作曲、アレンジされている方。このメロディーは、ほんとにエバーグリーンだなぁ。
歌詞とは裏腹にいまも「色褪せない」旋律です。
ちなみに「Sweet Memories」をBGMに使ったビールのCMを担当していたのが伯父でして、
あのペンギンが人気が出てしまい、当時調子に乗って(‥‥怒られる)映画まで製作したので
すが、劇中、主人公が子どものころにピアノを弾くシーンで「たどたどしい感じで、こども
が弾くピアノの音が欲しいから、弾いて」と頼まれたことがあったなぁ。とはいえ、小学校
の高学年だったから、だいぶピアノもうまくなってたんですけどね。結局は、シーン自体が
カットになったんだったかで、映画出演?は幻となりましたが。


話がそれてきたので、軌道修正。

年が一緒のようなので、たぶん、ラインナップにある曲の数々は同じような時期に聴いてた
音楽だと思われるので、当時から今にいたる時間を経て、現時点の自分は、どう歌いたいか、
聴きたいかみたいなポイント(=味覚)がけっこうわかる‥‥とまでは言い切れないけれども、
近しいニュアンスが見えるような気がします。
自分のなかにある「あのころの音楽」の漬け込み加減、寝かし加減の塩梅みたいなものかな。
自身のミュージシャンとしてのキャリア、年月の積み重ねによって出せる「味付け」で料理
された名曲たちは、ビンテージもののワイン、古漬けのお漬け物のように、味わうひとたち
それぞれの味覚を刺激する出来上がりになっています。


■ 日本にも世界にも、まだまだ「おいしいもん」が、たんとございます。

カバーとはいえ、邦楽、洋楽ともに有名な曲が多い分、それぞれの曲たちやミュージシャン
たちの紡いできた歴史だとか、各リスナーやファンの思いとか、前述の「やっかいなノスタ
ルジー」みたいなもんも、全部引き受けなきゃならないってことで、かえって、オリジナル
作品より、制作作業としては自らハードルをあげちゃったことになったのでは?と思ってし
まいました。現時点での「手持ちの札」を駆使するほか、方法がないわけだし。

ただ、リスナーとしては、こんなクオリティーのアルバムを聴かされた日にゃ、そりゃねぇ、
将来的に、でいいので「カバーアルバムの次回作を」なんて期待してしまいますね。
ご本人がどう考えてるのかわかりませんが、ライブとかでは、いままでもカバー曲の演奏は
してきたようだし。
ただ、わざわざ「アルバムとして残したい」と思っているかどうかは別かもね。

でも、どうでしょ。
「デザイナー」的な仕事も、たまには楽しいと思うけど。
「絵描き」本来?のオリジナルアルバムもやりつつ、ね。


ま、どちらも、気長に待つことにしましょうかね。


 

COVER ALL HO!

COVER ALL YO!

カバーアルバム、各種リリースがつづいていますね。リスナーとして贔屓めにみてるところもあるかもしれないけど「だてに山崎の看板を掲げてきたワケじゃないぜ」という「心意気」は感じるアルバムです。ジャケットのコスプレにだまされぬよう!

ちなみに、おなじく高いクオリティのカバーアルバム(といいきっていいのかわからないけど)も一緒にご紹介しておきます。こちらから

 

  
ま、とりあえず。その日の気分で「ぼなぺてぃ」。
 

 

 


「届けたいキモチ」に、
リボンをかけて。

Heart of Winter

まずは、テクスチャーとデザインに凝りまくったジャケットに「にやり」とさせられつつ。やっぱり、実体のあるモノ、っていいですよね。今の時代、配信でも音楽は手に入れられるけど、「物体」だと感覚として手に触れられるし。「手渡されたモノ」って感じもするし、ね。
ほかのミュージシャンもそうだけど、パッケージからCDを取り出して手にする瞬間というのは、リスナーとして一番わくわくする瞬間かもしれない。

自身のラジオ番組の企画から生まれた「Greeting Melody」ともども、すでにラジオ経由では耳にしてたけど、CDでこの2曲を耳にしてびっくりしたこと。

それは‥‥音が、いい!

ここでも「感触」ってことかもしれないけど、なんというか、ひとつひとつの音が「有機的」というか、うまく「下ごしらえ」されてるっていうか。とくにインストだとよくわかるけど、左右ちがうギターの音色、それぞれの「手触り(耳障り?)」が感じられる。で、全体でバランスよく共鳴しあってるんだけど、音色として、すごく「まろい」んだな、きっと。
そうだなぁ‥‥「おいしいお野菜の炊きあわせ」のような!
いい仕事っぷり、堪能できますよ。

曲のストーリーも、いろんなひとの、いろんな場面で、それぞれの心に響くような気がします。「Heart of Winter」は、寒い季節の“しあわせの場面”がぎゅっとつまってる感じがする曲、「Greeting Melody」は、コトバを丁寧に丁寧に紡いでいて、どちらも「いい曲」。

「Heart of Winter」は、わたしのなかでは今シーズンの「冬の夜道、鼻歌で歌いたい曲」第一位です。 他人に気づかれない程度に、絶賛実施中。
ふん ふん ふふ〜ふふふん♪

ちなみに。
おまけのDVDでは‥‥一転、かっこいいとこ出してます、このひとってば。しかも「真夏(!)のライブ映像」だし。

CDが“winter/静”なら、DVDは“summer/動”。

ライブは‥‥いいですねぇ、ほんと、このひとは。
「Good Morning」なんて、アレンジが新鮮だったし、とくに、オープニングのインストならびに「ペンギン」でのギタープレイ、確実に「my きゃー!領域」に一歩一歩近づいてきましたぜ。

 

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