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 てのなか番外篇
【モノ】no/11 「8月のクリスマス」

たいせつなひとと過ごした時間」は消えることがない

05/9/16

「スバラシイにうす」は、ここをC L I C K !! 9/4/04

 

いよいよ、リメイク版、映画「8月のクリスマス」が公開になる。
一年ほど前、この映画がリメイクされることになったというニュースを知ったとき、ほんとうに驚いたし、
うれしかった。

あえて、いぢわるな言い方をすれば、制作者サイドの考えのなかに現在の「韓流ブーム」と名のつく流れ
がまったく意識されてないとは考えにくい。しかし、そんな色眼鏡を通した憶測など軽く一蹴するだけの
クオリティが、この作品にはある。
この作品をこよなく愛する、わたしの母は逆に「韓流ブーム」に懐疑的だ。
もちろん、すべてを否定するわけではないが「韓国の映画・ドラマ、俳優なら、なんでもいい」のような
風潮には眉をひそめるひとり。実際「韓流ドラマ」に夢中なひとに、この作品(オリジナル版)をすすめた
ところ、色よい反応がなく「ぷんぷん」していた。「退屈だった」と言われたそう。
とりたてて、主人公が気の利いた甘い台詞をささやくわけでなくハラハラドキドキする事件も起こらない。

しかし、現実離れした「非日常」だけがドラマなのだろうか?
淡々と過ぎる「日常」にだって、ひとびとのドラマはある。
いや、極端にいえば、一見、なんでもない「日常」のあちこちにころがる 「行間」にこそ、ひとびとの
切なる想いがつまっているのかもしれない。

わたしは、この作品をはじめてみたとき、ある一冊の本を思い出していた。
ポール・ギャリコの『雪のひとひら』という物語。
空のかなたで生まれた「雪のひとひら」が、やがて川を流れ、いろいろな出逢いを重ねて愛を育み、
成長していく。苦難や喜びを味わいながら日々が過ぎて、そして、なつかしい「空のかなた」へと帰って
ゆくというストーリー。やがて消えゆく運命であっても、なすべきコト、出逢うべきひとたちにとって、
自分は必要な存在であったのだ、と主人公は悟る。
1950年代に書かれた物語を70年代に矢川澄子さんが日本語版に翻訳されたのだが、時代背景もあってか、
ストーリーが「女性の一生」と重ねあわせて解釈をされている側面がある。
しかし、そういったうがった見方をせずに、シンプルに読みたい本。雪の結晶が生まれてから命つきる
までが詩的な文章で綴られている、ココロが清らかになる一冊だ。

ちなみに、矢川さんは「あとがき」で以下の与謝野晶子の歌を引用している。

いづくへか帰る日近きここちして この世のもののなつかしきころ

誰もが、いずれ「いづくへか」へ「ひとり」で帰ってゆく運命にある‥‥悲しみやさびしさを残してゆく
のではなく「なつかしきもの」たちを連れて。この世に残されたものは、そのひとへの「なつかしさ」を
抱きつつ生きていけるのだ。

ひとは、ときに「ひとり」で躍起になろうとする。「どうにかしてみせる」といきがることさえある。
しかし、ココロの奥では、いつだって「誰か」を必要としている。普通に過ぎゆく毎日に、なにかを共有
しあえる「誰か」がいてくれたら、と。誰もが辿りつくであろう、そのときを迎える日まで、そばにいて
ほしい、と願いながら、日々を過ごしているのではないか。
同時に、その「誰か」のためにそばにいてあげたい、とも思うのである。
そうやって、たいせつなひとと過ごした時間は、いつまでも消えることがない。

静かだけど、そのシンプルな願いがこの作品にはあふれている。
そこが、この作品の魅力なのだと思う。

 

と、ここまで書いてきて肝心なコト。
リメイク版の「8月のクリスマス」は、まだ観てません。
公開前だし。(05/9/23 から順次全国公開)
ちなみに、主演の山崎まさよしさんは音楽も担当されています。
こちらも期待大、です。


この映画のinfomationは、こちら。 http://www.8xmas.com/


「スバラシイにうす」が!
04/9/4

韓国ブーム、つづいていますね。ちなみに「韓流」というのは中国語です。
ほんの数年前、わたしが韓国に短期留学していたとき、日本から遊びに来ようとした友人が
家族から「せめて、日本の航空会社をつかって行きなさい」って言われたり……いまではウソみたいなハナシです。

そんな中、うれしいnewsが。
少し前に日本で大ヒットした「世界の中心で愛を叫ぶ」が「冬のソナタ」を撮ったユン・ソクホ監督によって
韓国でリメイクされるというニュース
がありましたが、
わたしの好きな韓国映画「八月のクリスマス」が日本でリメイクされることになったそうです。
しかも!主演は山崎まさよしさん。
しかも!ロケ地が富山県高岡市。

わたしが韓国に行っていたとき、母が家でひとりでたまたまみていたのが、この映画。
帰国したわたしに
「すっごいいい映画みちゃった。
 街の写真館が舞台で、俳優さんもすっごくかっこいいわけじゃないし、
 なんてことないストーリーなんだけどね、とにかく見終わってからも“じんわりじんわり”ココロに残るの」
と力説。ほんとに、そんな映画なのです。

主役はハン・ソッキュさん。日本では「シュリ」で人気のでた俳優さん。
SMAPの草なぎくんは、この俳優さんにあこがれて、韓国語の勉強をはじめたということでも有名です。
たんたんとした演技が、かえって、この主人公の人柄を強く印象づけます。
相手役のシム・ウナさんは、現在は女優をやめてしまいましたが、すごくピュアな魅力のある女優さんです。

物語は、ソウル郊外の街。
ジョンウォンが営む小さな写真館に、交通係のタリムが現像を頼みに訪れるところからはじまります。
なんてことない平凡な日常があって、そこに静かな愛が流れてゆくんですね。
何度か観ましたが、ストーリーはわかってるのに、最後にねぇ……やっぱりうるうるくるんだよねぇ。
「人を想う」ということのせつなさ、「人を想う」ことで強くなれること……
日本でリメイクするときに山崎さんが候補にあがったのも、なんとなくナットクだな。

ただ、一点気になることが。
韓国版では、30歳そこそこの主人公をタリムちゃんは「アジョッシ(おじさん)」と呼ぶのです。
30過ぎると、「おじさん」なのかなぁ、やっぱり。日本版で山崎氏が「どう扱われるか」がミモノです。

また、富山の高岡というのも、わたしたち母娘にとっては、とてもとても想い出がある場所。
ここは、父が青春時代を過ごした街。
当時、市民病院に入院していた祖母をお見舞いに行ったときに、自分の高校の近くを案内してくれました。
「懐かしいなぁ、お父さん、ここのあたりよく歩いて……あれ、ちがったか。一本、道まちがえた」
懐かしいんちゃうんかーいっ!結局、まよってました。
それが、最初で最後でした。
父が青春時代を過ごした場所をすこしだけでも一緒に歩けたことは、いまとなっては本当によかったな、
と思っています。そんな土地なんで、この映画は……こまったなぁ。
すくなくとも、母とは一緒に行けないなぁ。号泣するにちがいないし。
どんな映画になるのかなぁ。いまから、たのしみ。

 

 

※ 現時点で、このニュースの詳細は不明です。当時、現地紙に掲載された情報でした。05/9/16

 

 

 

 

「雪のひとひら」&文庫版
Paul Gallico (原著) 矢川 澄子 (翻訳)

わたしのもっているのは旧装丁なのですが、新装版は原マスミさんの挿画だそうですね。ブックデザインもステキです。

 

「八月のクリスマス 」

本家のオリジナル版DVD。日本では99年に劇場公開されました。まだ「韓流ブーム」なんてコトバがなかった頃。ストーリーの内容はもちろん、わたしにとっては「韓国語」の響きのあたたかさに気づかせてくれた映画でもあります。

「8月のクリスマス 」
山崎まさよし

映画の最後のロールで流れる曲‥‥けっして上手とはいえない?!ピアノが、かえっていいんですよ。空から舞い降りてきたような、やさしいメロディー。さすが。

「8月のクリスマス 」
   サウンドトラック

今回のサントラ、ウクレレが使われてるそう。よく、田舎のおうちにカチコチいってる大きな時計があるでしょ?静かな時の流れをみつめてるような、大きな時計。なんか、その音の刻み方に似て聞こえるような気がする。

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